外国人採用は「現地」にも目を向ける
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
㈱TOHOWORKの和田です。
先週末に行われた特定技能1号「宿泊」の試験ではいろいろと問題があったそうですね。
まず第一に実際の受験者数が申込者数の半分だったそうです。
申し込んだ後に受験資格者というメールが届いたらしく内容の難しい内容だったようで半数近くが断念したとか。
また、会場にはもぐりがたくさんいたそうで名刺を配っている人がいたので強制退去させられたとか。
さらにはどういうわけが日本人が外国人に成り代わって受験していたという情報も。
この制度、正直大丈夫なのか心配になってきました。
試験の内容自体はそこまで難しくないようですが、N4ではとても理解できない語彙がたくさん含まれていたようです。
結果は来月の25日に発表されるそうです。
何人の受験者が合格しているか興味深いものがあります。
さて、それでは今日のテーマです。
今日のテーマは「現地採用」についてご紹介していきたいと思います。
外国人材を採用する場合、最も容易なのは既に日本にいる留学生等の外国人の中から選ぶことです。
このことは実際に現地にいる外国人を雇用する場合に比べて時間的にも費用的にも「楽」と言えるでしょう。
しかし、一概にすべての外国人採用を日本に在留している外国人の中から探すというのは、時に非効率だったりもします。
今日はその辺りの点について事案を用いてご紹介していきたいと思います。
|CASE STUDY㉖ 求人はビジネス相手国「現地」にいる人材へ
モンゴルに向けて中古自動車を輸出している「株式会社甲オート産業」(以下「甲オート」とする)は、日本製ハイブリッド車の人気により業績を拡大していた。 そこで、甲オート社長であるAはさらなる高みを目指すためにこれまで自社で雇用していなかったモンゴル人スタッフの採用を決めた。 当初、Aは日本にいるモンゴル人留学生の新卒を採るつもりだったが、なかなかAが考える条件の人材がいなかった。 そんな時、甲オートの人事担当者BがFacebookを使って直接モンゴル「現地」に求人を出すことをAに提案したところ、手詰まり感に陥っていたAはBの提案に沿ってFacebookで求人を出すことにした。 すると、モンゴル「現地」から多くの反響があり実際に応募者もかなりの数に上った。そして、Aはその応募者の中から5人をSkype(映像付き)で面接し、最終的には実際にAとBがモンゴルへ行き実際の面接を経て2人を採用した。 |
|解説
今回のケースのAはまず在留モンゴル人の中から採用を考えていました。
しかしながら、Aが欲しい人材がいなかったため採用を見送っています。
この点、現在在留モンゴル人は約5000人です。
つまり、約70万人ともいわれている中国人等と比べて非常に少ないのが現状であり、モンゴル国自体の人口が約300万人であることからも今後も劇的に増えることはないでしょう。
したがって、在留モンゴル人を採用することは、中国人等と比べて難しいといえるかもしれませんが、一方でモンゴル人を必要としている日本企業も少ないのが現状です(人口が少ない国は市場としても小さいので、そこへ進出する日本企業も少なくなります)。
そこで、今回のケースの甲オートのように直接、ビジネス相手国「現地」にいる人材へ求人を出すという視点が重要となります。
つまり、外国人材の採用枠を劇的に広げるには「在留」外国人材だけに目を向けるのではなく「現地」外国人材にも目を向けなければなりません。
また、外国「現地」には日本で考えるよりも大学等で日本語を学んだ人材が豊富にいます(特にアジア各国では日本語を学んでいる人材は豊富です)。
そして、日本に留学していない人材のほうが、文法等がしっかりしている場合が多いのも特徴です(話し言葉に流されていない)。
以上ですが、インターネット(SNS等)の発達が「現地」外国人材の採用を中小企業でも可能にした、という意識を持つことが重要です。
ぜひとも一度外国「現地」人材へ目を向けてみてください。
新しい可能性に出会うことができると思います。