外国人を雇用する理由
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
株式会社TOHOWORKの和田です。
少しずつではありますが、「特定技能1号」の要件が出てきました。
4月から始まる3業種の「宿泊」「外食」「介護」の試験が4月中に行われる可能性が出てきました。
その中で日本で受けることができるのは「宿泊」と「外食」の2つのみのようです。
「介護」の試験はベトナムとフィリピンでのみ開催されるようです。
試験内容については依然、発表はされていませんが実技のテストも行われるようです。
開催場所は、大阪と東京で行われるという情報があります。
受験に関する申込み方法及び日時ならびに受験料などはまだ発表されていません。
将来的に「外食」や「宿泊」の職種で日本で働きたいと考えている人にはぜひ受けていただきたいですね。
また、新たに情報が入り次第、こちらで情報の共有をさせていただきたいと思います。
さて、それでは今日のテーマへ行きましょう。
今日のテーマは「外国人雇用の理由」です。
外国人を雇用するためには本人が今までに学んできた専門性と会社の業務内容とに関連性がなければなりません。
今回ご紹介するお話は、国際結婚をして外国人である配偶者の身内を自分の会社に入社させる時に起こったトラブルです。
今後、日本でも外国籍の方と結婚されるご家庭が増えて来るでしょう。
その時に人情やコネなどを理由に入社を許可してしまうことがあるかもしれません。
今日もある事例をもとに検証していきたいと思います。
|CASE STUDY⑩ どうして外国人を雇いたいのか
ビル管理業を主たる業務とする株式会社甲建物管理(以下、「甲管理」とする)の代表取締役Aは、韓国人であるBと結婚している。ある日、AはBから今年日本の大学(文学部英文科)を卒業する甥の柳氏(25歳/男性/韓国籍)を甲管理で就職させてほしいと頼まれた。 この点、現在の甲管理のオペレーションにおいて必要な人材は、現場の清掃の現場業務担当者であり、同担当者は慢性的に人材不足となっていたのでAはBに対して柳氏を甲管理で採用することを了承した。 その後、柳氏は入管当局へ「留学」から「技術・人文知識・国際業務」の在留資格変更許可申請をしたところ、入管当局から2週間も経たないうちに通知書(不許可の旨記載)が送られてきた。 そこで、柳氏はAとともに入管当局へ不許可説明を聞きに行くと、不許可説明担当官から「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格では、清掃等の現場業務はできない。営業や管理業務であれば許可を得る可能性もあるが、これについては雇用者とよく話し合ってほしい」との説明があった。 その後、Aは営業や管理業務担当者は特に必要としていなかったため(また、このような「社内での教育」を前提とする「新卒採用」をする余裕はないため)、柳氏の採用を取り消すことにした。 ところが、AはBに柳氏を採用できない旨を告げたところ、それを聞いたAの韓国籍の妻と大喧嘩になり、妻の手前Aは採用取り消しを撤回するしかなかった。 |
|解説
今回のケースのようなことは、外国人配偶者を持つ中小企業の経営者にはよくあることです。(特にアジア系の配偶者にその傾向があります)。
今回のケースにおける一番の問題点は、Aおよび甲管理に「外国人材を雇用する理由」がなかったことです。
一見「経営者の妻の甥」というのは「外国人材を雇用する理由」になりそうですが、甲管理のオペレーション上の理由ではないので「外国人材を雇用する理由」にはなりません。
つまり、柳氏は甲管理にとって必要な外国人材ではないのです。
それにもかかわらず、さらには入管当局から不許可処分を受けてもAは「妻の甥」という理由だけで柳氏の採用を継続し、再度「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請をしようと考えています。
しかしながら、一度不許可になった時点で採用を取り消そうとしたAですから、再度の柳氏の在留資格変更許可申請の煩雑さに耐えることができないかもしれません。
この点、甲管理のオペレーションによって必要なのは、現場の清掃員であり営業や管理業務の担当者ではありません。
しかも、新卒採用をする余裕がない甲管理に「新卒枠」で柳氏を入社させようとするのですから、その歪が甲管理のオペレーションに出る可能性もあります。
このような場合、Aは柳氏を雇用する理由を明確にし、甲管理のオペレーションにおいて柳氏を活かす担当業務を作る必要があります。
例えば、これまでなかった在日韓国人をはじめとする外国人オーナー向けの新規営業や全く新規の事業を立ち上げる等です。