入管からの「資料提出通知」について
こんにちは。
外国人人材紹介サービス
株式会社TOHOWORKの和田です。
今週は月曜日から面接が立て続けにありました。
業種はホテルのフロント業務で10名の採用をご検討いただいている会社様でした。
最近ではますますお問い合わせも増えてきており、外国人雇用をご検討いただける企業様が増えてきたことをとても嬉しく感じています。
さて、それでは今日のテーマに移りましょう。
今日は入管からの「資料提出通知」についてご紹介していきたいと思います。
「資料提出通知書」は在留資格の申請後に入管当局から送られてくることがある通知書のことです。
通知書の内容には、雇用者の経営状況について詳細な情報の提出を求めるものもあります。
今日はその「資料提出通知」についてのことをこれまでにあった事例をもとにご説明していきたいと思います。
|CASE STUDY⑦ 「資料提出通知書」は要注意!
建設業を営む株式会社甲組(以下、「甲組」とする)は、急成長しており非常に勢いのある会社である。 甲組の社長であるAは、一代で会社を成功させたという自負もありワンマン経営者として有名だった。 また、甲組の下にいる職人たちは永住者や定住者の在留資格を有する中国人が多いのも特徴だった。 したがって、日本語が十分に理解できないことを原因とするトラブルが多く発生しており、それがAにとって悩みの種だった。 そこで、Aは日本の大学(経済学部)を卒業する予定の蔡氏(25歳/男性/中国籍)を「通訳・翻訳」担当として採用することにした。 その後、蔡氏は「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請をしたが、申請日から3週間後に入管当局から「資料提出通知書」が蔡氏に対して送られてきた。その内容は、以下のとおりであった。
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2018年〇月〇日 資料提出通知書 蔡 〇 様 あなたの申請(東労C××××× 申請日2018.〇.〇)に関し、審査資料で下記の書類が必要ですので、〇月〇日(当日必着・延長不可)までに本状とともにご送付又はご持参ください。なお、郵送の場合は、封筒の表に申請日と申請番号を記載してください。
記 〇あなたの「就業場所」について 次の資料により、申請人が実際の業務に従事する場所と職場環境を明らかにしてください。 (1)賃貸借契約書の写し (2)見取り図 ※出入り口から事務室まで。備品等の配置状況も明記して下さい。 (3)座席表 (4)写真(外観・郵便受・看板・事務室内) ※建物全体の様子が把握でき、かつ、申請に係る業務に従事する職場環境が整備されて いることを明らかにするように撮影してください。 〇申請人が担当する「翻訳・通訳」業務の業務内容(建設現場に行く場合は、その頻度についても)及び業務量について詳細に説明した文書(会社作成・要社判)をご提出ください。
提出先(送付先) 〒108-8255 東京都港区港南5-5-30 東京入国管理局 就労審査部門 注意:請求された資料を上記期日までに提出されないときは、特別な事情があると認めた 場合を除き、現に提出された資料によって許否を決定します。 なお、申請に対する処分がなされないまま、在留期間から2か月を経過した場合には、本 邦に滞在することができなくなりますので資料は速やかに提出してください。 ※当該申請の結果については、別途こちらから通知が送付されるまでお待ちください。
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蔡氏は「資料提出通知書」をAに渡して対応してもらいたい旨を伝えた。 すると、Aは「資料提出通知書」の内容に目を通すや否や、烈火のごとく怒り出し「なんで、こんな細かいことまで聞かれないといけねぇんだ!雇うかどうかはオレとおまえとの問題だろ!入管にうるさく言われる筋合いはない!」と言い放ち「資料提出通知書」を破いてしまった。 結局、追加資料を提出することができなかった蔡氏の在留資格変更許可申請は不許可となった。
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|解説
今回のケースのAが「資料提出通知書」を破いて、入管当局からの求めに応じなかったことは、外国人材の雇用者としては絶対にやってはいけないことです。
外国人材の雇用者は、入管当局からの追加資料の求めに対しては真摯な対応をしなければなりません。
外国人および雇用者にとって「在留資格」がその雇用の前提であり、その前提のためには全力で対応するつもりがなければ外国人材を雇用すべきではないでしょう。
この点、Aは自らの会社と自分の実績に自信があったからこそ、今回のケースのような対応をしてしまったのでしょう。
本来であれば、このような自信を持つことは素晴らしいことであり、決して非難されるべきものではありません。
ただ、Aは自分が外国人材の雇用者であり、そのことを忘れていたのです。
結局、このAの不適切な対応によって蔡氏は在留資格変更許可申請は不許可となってしまい、蔡氏は甲組に就職することはできませんでした。
この結果を知ったAが、入管当局に対する態度を改めなければ、蔡氏は永遠に甲組に就職することはできないでしょう。