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技能実習制度って何??

カテゴリ: コラム 公開日:2018年09月06日(木)

みなさん、こんにちは。

 

外国人人材紹介会社

TOHOWORKの和田です。

 

台風の影響が残る中、今朝早くに大きな地震が北海道を襲ったそうです。

 

停電と断水が続いているようで普及の目途が立っていないそうです。

 

一日にも早い復旧と穏やかな日々が戻りますことを心よりお祈り申し上げます。

 

 

さて、今日も外国人雇用についてご紹介していきたいと思います。

 

今日のテーマは「技能実習制度」です。

 

名前ぐらいは聞いたことがあるという人はかなりいるのではないかと思いますが、具体的にどのような制度なのかを説明できる人はあまり多くないのではないでしょうか。

 

今日は、その技能実習制度についてお話していきたいと思います。

 

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技能実習制度とは?

 

技能実習制度とは、主に開発途上国からの外国人を受け入れて、一定期間、日本国内の企業等で職業上の技能・技術・知識(以下、「技能」を学ばせ、彼らが母国に帰国した後、その習得した技能を本国で活用することにより技能の移転を図り、開発途上国の発展に寄与することを目的として1993年に創設された制度です。

 

技能実習を行う外国人の活動は、

 

①「技能実習1号、イ・ロ」(滞在可能な在留期間は最大1年)

②「技能実習2号、イ・ロ」(同2年)

③「技能実習3号、イ・ロ」(同2年)

 

の6種類に分かれています。

 

来日1年目の「技能実習1号」の技能実習生は、来日直後に1~2か月間の講習(座学)を受講して、その後各自、個別の企業で10か月の自習を行います。

 

これらの実習が終わり、法律に規定された学科試験と技能試験に合格した技能実習生は、入国管理局で在留資格変更(ビザ変更)の許可を得たうえで、「技能実習2号」に移行し、更に2年間の実習(労働)を続けることができます。

 

加えて、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(以下、「技能実習法」)が2017年11月に施行され、「技能実習3号」が追加されました。

 

これによって、それまでの合計3年から5年に外国人技能実習生が就労できる期間が延長されたのです。

 

ただし、この技能実習生2号あるいは3号として働く場合、どんな場合、どんな分野や職種でも就くことができるのかというとそうではありません。

 

技能実習1号を終えた後、2号に移行して就労できる職種(受入企業が技能実習生を雇用してよい職種は、法定の77職種139作業(2017年12月6日時点)に限定されています。

 

その分野は農業(施設園芸・畑作・野菜・果樹・養豚・養鶏・酪農)、漁業・養殖業(かつお一本釣り漁業・延縄漁業・いか釣り漁業・ほたてがい養殖他)、建設業(さく井・建設板金・鉄筋施工・とび・かわらぶき・左官・配管・内装仕上げ加工等)、食品製造(缶詰巻締・ハム・ソーセージ・ベーコン・パン・総菜製造等)、繊維・衣服(紡績運転・織布運転・染色・ニット加工等)、機械・金属(鋳造・鍛造・機械加工等)、その他(家具製作・印刷・溶接・塗装・ビルクリーニング・介護等)の7分野(空港グランドハンドリング業務は除く)に渡ります。

 

企業は、これらの77種類139作業以外の職種や作業以外の仕事で、外国人を技能実習生(2号・3号)として雇用することはできません。

 

これら法定の職種や作業内で技能実習生を雇用したいと希望する企業で、技能実習制度を利用するのが初めてで手続きについても何も知識がないという場合は、最初に日本政府の所管団体である公益財団法人国際研修協力機構(JITCO)にお問い合わせをするといいでしょう。

 

この団体は、外国人技能実習生の受入れ・手続き・送出し・人材育成・実習生保護などを目的に1991年に設立された団体です。

 

企業個人の事情に応じた相談対応から始まり、手続きの案内やサポートまで、技能実習生受入れに関するあらゆるサポートを行っています。

 

また、外国人技能実習生を受け入れる方法には二つの方法があります。

 

一つは「企業単独型」で、実習生を受け入れる日本側企業が海外の現地法人や合弁企業・取引先の職員などを呼び寄せて技能実習を行うタイプです。

 

例えば、大企業の日本本社等が発展途上国の現地法人の幹部候補生等を招聘して実習を行い、技能を習得した実習生が母国に帰国、現地法人の中核スタッフとして活躍するといったケースです。

 

ただし、主に大企業が利用するこの方式を利用して来日する実習生は少なく、技能実習生全体のわずか3.6%(JITCO・2016末)程度です。

 

一方、残り96.4%の実習生はもう一つの「団体監理型」という受入方法で来日します。

 

「団体監理型」は、国内の商工会議所や中小企業団体等の管理団体が一括して技能実習生を受入れ、傘下の一般企業(実習を行う企業や団体)で技能実習(労働)を行わせる方式です。

 

この「団体監理型」の場合、前出の「企業単独型」と異なり、実習生の招聘に現地で実習生候補生の選考や決定・派遣業務に携わる(海外現地の)「送り出し機関」と、日本国内の「監理団体」という二つの機関が介在することになります。

 

技能実習生の雇用を希望する中小企業は、これら監理団体の傘下に入ることによって(監理団体と契約を結んだ)海外の送出し機関から派遣される外国人技能実習生を受入れることができるようになるというわけです。

 

また2017年11月に施行された技能実習法によって、新しく実習生を受入れる各監理団体を監理監督する「外国人技能実習機構」という機関も新設されました。

 

このように2017年11月以降は、海外の送り出し機関、送り出し機関と契約して実習生を受入れる監理団体、更に外国人技能実習機構といった団体を介在した新しい技能実習制度が始まっています。

 

この新制度の導入と同時に前述の技能実習1号を終えた後、2号・3号に移行して就労できる職種(受入企業が技能実習生を雇用してよい職種)には新たに「介護」が追加されたことも大きなニュースになりました。

 

これからは続々と追加される新しい対象職種に加え、特に不足している国内の介護人材を補うために多くの介護・技能実習生が来日してくれるのではないでしょうか。

 

 

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技能実習制度の何が問題なのか?

 

最近、技能実習制度や技能実習生に関するマスメディアの報道を見ていると、人手不足の企業が低賃金で外国人実習生を雇用し、過酷な環境の下で過重労働を強制するなどの人権侵害行為が横行している一方で、制度を利用して来日する外国人実習生についても、来日後により高い賃金を求めて失踪や不法就労しているといった全体的に制度自体を批判するネガティブな報道内容が多いようです。

 

確かに政府が唱える「日本の技術や知識を発展途上国の若者に伝えて、母国で役立ててもらう」という制度目的と方針は、日本の先端技術を学んで母国で活かしたいと希望する外国人にとっても有意義であり素晴らしいものです。

 

ただ現状の制度運用がこの目的に沿ったものになっているのかと考えると、日々中小企業の外国人雇用に関する相談を受けている経験から、どうしても疑問を持たざるを得ません。

 

この制度の最大の問題点は、来日する技能実習生に対して、送り出しに際し多額の保証金等を請求するいわゆるブローカーと呼ばれる海外の送出し機関、加えて自身の傘下にある労働法規を守らず実習生を法外な過重労働と低賃金で搾取するブラック企業を監督できない(またはしない)日本側の監理団体にあると思います。

 

もちろん、こうした違法な行為を行っている送り出し機関や監理団体や企業は全体のごく一部で、多くの団体・企業は適法な受入れを行っています。

 

加えて、今回の法律改正ではこの問題を解決するため、前述のとおり監理団体を監督する外国人技能実習機構が新設されました。

 

ただ、この機構が今後どの程度有効に機能するのか現時点では未知数です。

 

このように外国人技能実習制度には良い点もありますが、同時に多くの改善すべき問題点をはらんでいる難しい制度だと言えます。

 

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